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解体工事の基本知識:新築時点で解体工事のコストが決まる(その1)

先ずは建物の構造を決めましょう
建物は木造、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の4種類が主な種類です。その中で木造は以前は戸建て住宅等の低層建物に限定されていましたが最近では木造のビルも二酸化炭素の排出量削減の為に計画されています。現在、開催中の大阪万博でも木製リングが話題です。ここで少し横道にそれますが木造が二酸化炭素の削減になるか疑問に感じたことはありませんか?木をそのまま生かした方が二酸化炭素を吸収するので良いのでは?木を伐採しない方が良いのではと考えたことはありませんか?これは木造の材料に使った木材がその成長過程で吸収した二酸化炭素を貯蔵していると考えるのです。つまり、その木材を燃やさない限りは貯蔵していると考えるのです。
さて、話を戻します。木造は解体するとその材料は全て処分の対象です。そのコストの大小は有れども現時点では再生利用はチップにして建材で利用するぐらいで資産価値は殆どありません。
次に、S造ですが主要構造体の鉄はスクラップとして電炉で製鉄するための大事な材料になります。ここで電炉とは何かを説明します。鉄を作るには二つの方法があります。それは高炉と電炉です。高炉は鉄鉱石を原料に石炭を燃やして製鉄します。その時に大量の二酸化炭素の排出します。それに対して電炉はスクラップを電気で製鉄します。その時の二酸化炭素の排出量は高炉より少ないとされています。その為に大手高炉メーカーの高炉から電炉への転換が計画されています。そうなると予想されるのが需要の増で需給バランスが崩れてスクラップ相場の上昇が予想されます。これは将来の解体にとってはプラスです。どこまで上がるのかは神のみぞ知るです。昔の話ですがスクラップ相場が高騰した時に解体を頼んで、頼んだ方がお金を貰うというような逆転現象になったこともあります。次にRC造はその中に鉄筋が入っています。これも電炉における重要な材料となります。ただし、その量はS造にはかないません。更にコンクリートを砕くのにそれ相応の手間がかかります。つまりはスクラップの戻りは少なく手間が増えるのでコスト増になります。最後はSRC造ですがこの構造は現在ではほとんど計画されることはありません。理由はRC造の限界とされていた階数も材料を高強度コンクリートを使うことで越えることが可能になりコストダウンが実現できたので採用される機会がほぼ無くなりました。以上のことから将来のコストも踏まえての構造方法のベストはS造となります。以前はS造の特長の揺れることからホテルや病院では敬遠されていましたが、現在では設計時の配慮で対応可能になった為、ほぼすべての建物で採用されています。
まとめ
この原稿は6月1日に書いているのですが、とある経済紙のニュース速報で以下の内容が届きました。
「建築物のCO2排出量、建設から解体まで算出要請を国土交通省が28年度に」
ついに国土交通省も動きました。以前からその動きがあったのですが、しっかりと国土交通省として仕組み作りを始めたようです。つまりは解体のコストだけでなく、その時に排出される二酸化炭素の量まで考慮する必要が出てきたということです。では次回は細かい点を提案させていただきます。
寄稿:長野 正典(弊社代表取締役 月曜日・木曜日に掲載予定)