お役立ち情報 / お知らせ
- 浜松の解体業者 丸友開発 トップ
- お役立ち情報 / お知らせ
- サイトマップ
解体工事の基本知識:新築時点で解体工事のコストが決まる(その2)

構造は決まったけどその他は?
前回のお役立ち情報で解体コストを考えるとS造がベストだと説明しました。新築のコストにおいてもRC造よりも安いのでその選択は間違いないと考えます。今回は先ずはその他の特殊な構造についても説明します。まずはCFT造という構造があります。これはS造のコラム柱(ボックス状)の中にコンクリートを詰めた構造です。そのメリットは柱の強度が上がるので柱を細くできます。建物の有効面積が増えるので良い方法のように思うかもしれませんが解体屋目線では止めて欲しい構造です。何故かというと解体工事では鉄は重機で切断して解体するのですが、中にコンクリートが詰まっていると鉄骨柱が潰れないので事前に鉄のガス溶断が必要となります。これは大きな手間の増でコストアップに繋がります。その次の特殊構造はPC造です。これはRC造を特殊部材でテンションをかけて柱スパンを伸ばすことができるようにした構造です。これも堅いので解体手間の増に繋がりコストアップになります。最後にRC造で超高強度コンクリート造です。これは通常のコンクリートより10倍以上の強度なので壊すのは大変です。この構造は未だに解体対象になっていないので弊社も未経験なので未実証ですがかなりの工期増になることは間違いありません。さて、構造体については前述の通りですがS造を選ぶメリットはもう一つあります。それは建物重量を下げることで基礎と杭地業が軽減されます。地下にあるものは小さい方が良いので基礎の下にコンクリートの塊で固い地盤との間を埋めるラップルコンクリートという工法も勘弁してください。これは改良剤を土に混ぜて柱状に固める柱状改良の方がコストを抑えられます。杭も長い杭は抜くのがコスト増になるので節をつけて土との摩擦で杭の長さを短くする節杭を選択する方がコストダウンになります。
仕上げ工事は?
次に仕上げ工事で解体コストに直結するのはS造で耐火建築物の要求がある場合に柱と梁を覆っている耐火被覆です。別名:ロックウール吹付材というものです。これは綿のような見た目と裏腹に固定するためにセメントスラリーが練りこまれているので実は固いのです。これを解体時にすべて剥ぎ取らないと柱と梁がスクラップとして引き取り不可なのです。この代替品は巻き付けタイプの耐火被覆材の「ま〇べえ」です。商標名なので一部伏字にしていますがオンリー1の商材のようです。全国の施主と設計事務所はロックウールを使う前に一考ください。コストは比較すれば単品で倍のコストですが全体に占める割合は微々たるものです。解体時のコストは半分以下なので元は取ります。
まとめ
新築時の選択で解体コストに直結する仕様について説明してきました。一部の発注者は解体時には自分の建物ではないからあまり関係ないと思っている方もいるでしょう。ところが、土地建物を手放す場合にその価格は建物の構造が価値ではありません。その建物を解体して建てる次の建物から得られる収益がその根拠になります。そうだとすれば解体費が少しでも安い方が手残りは増えます。現状渡しで売る時も買主は解体工事の見積を徴収して残った金額しか払いません。以上のことからどんな形であれ解体工事費が安い方が手残りは増えるのは間違いありません。このコラムが皆さんの資産を守ることに繋がることを祈りつつ第4回を終わります。
寄稿:長野 正典(弊社代表取締役 月曜日・木曜日に掲載予定)