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解体工事の基本知識:初心者向けガイド

イラスト(基本知識)

はじめに

 解体工事は、建物を取り壊すプロセスであり、新しい建設プロジェクトの準備や土地の再利用のために重要な役割を果たします。しかし、建設業界に詳しくない方にとっては、解体工事がどのように行われるのか、どのような注意点があるのかを理解するのは難しいかもしれません。この記事では、解体工事の基本知識を初心者向けにわかりやすく解説します。

解体工事の種類

 解体工事にはいくつかの種類があります。以下に代表的なものを紹介します。

 ・全解体:建物全体を取り壊す工事です。新しい建物を建てるための準備として行われます。

 ・部分解体:建物の一部を取り壊す工事です。リノベーションや改修のために行われることが多いです。

 ・内装解体:建物の内部のみを取り壊す工事です。内装の変更や改装のために行われます。

解体工事のプロセス

 解体工事は以下のようなステップで進められます。

 ・計画と準備:解体工事の計画を立て、必要な許可を取得します。また、周辺環境への影響を最小限に抑えるための対策を講じます。

 ・安全対策:作業員の安全を確保するための対策を行います。ヘルメットや安全靴の着用、危険区域の設定などが含まれます。

 ・解体作業:実際の解体作業が行われます。重機を使用して建物を取り壊し、廃材を処理します。

 ・廃材の処理:解体後の廃材を適切に処理します。リサイクル可能な材料は分別し、環境への影響を最小限に抑えます。

解体工事の費用

 解体工事の費用は、建物の規模や種類、場所によって異なります。以下に一般的な費用の目安を示します。

 ・全解体:建物の規模によりますが、一般的には数百万円から数千万円程度です。

 ・部分解体:部分的な解体の場合、費用は数十万円から数百万円程度です。

 ・内装解体:内装のみの解体の場合、費用は数万円から数十万円程度です。

解体工事の注意点

 解体工事を行う際には、以下の点に注意する必要があります。

 ・許可の取得:解体工事には自治体の許可が必要です。業者選びの基本です。建設業許可の取得の有無は「国土交通省のHPで検索できます」

 ・周辺環境への配慮:解体工事は騒音や振動を伴うため、周辺住民への配慮が必要です。ずば抜けて安い業者はこの部分を手抜きで省いていることが多いです。通常は見積もりに外部への安全対策で外部足場にパネルやシートで養生しています。このグレード感は、パネルが松で、養生シートが竹で、何もないのが梅です。これは見積書に記載されるべき内容で、書いていない場合はレベルの低い業者と考えて間違いありません。わからなければ質問してください。この質問に答えられなければ断ってよいレベルの業者です。

 ・安全対策:作業員の安全を確保するための対策を徹底しましょう。これも解体には直接関係ないので省く業者が多いです。皆さんがその土地に新しい建物を建てて住み続ける場合、そこで誰かが怪我をしていたら気になりませんか?

 ・重複や戻り仕事の排除:一般の方には高いハードルですが、大事なポイントです。前提条件として、皆さんが解体を依頼する「解体業者」は解体のプロであっても建築のプロではありません。建設業許可に「解体工事」という工種ができたのは近年のことです。それまでは「とび土工」で対応していた名残で、土木系の経験者が過半を占めています。意外に思われるでしょうが、建築工事については素人と言うべき方が多いのが現実です。

まとめ

 皆さんが解体工事を依頼される機会はそう何度もないはずです。いくつも土地を持つ昔で言う「大地主」なら別ですが、普通は一つの土地で解体工事は40~50年に一度の大事業です。ならば、その一大事業で失敗しないための知恵をこれからもこのブログでお伝えしていきます。

寄稿:長野 正典(弊社代表取締役 月曜日・木曜日に掲載予定)