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#004 “老害”という地雷原をどう歩く?職場を蝕む“老害”の構造を見抜き、解体するための実践書

「変われない上司」が会社を壊す音が聞こえる
静岡・浜松で働くあなた。最近、こんな“音”が聞こえていませんか?
老害 vs 被害者の意識:静かに壊れていく職場の“音” の対比表
老害者のセリフ | 老害者の頭の中 | 被害者の心の声 | 被害者の現実 |
それ、うちでは前にやって失敗してるから | 俺の時代に通用しなかったんだから、今もムリ | いや、時代も人も変わってますけど? | 提案は“過去の失敗”という名の棺桶に即埋葬 |
若い人にはまだ早い | 若手は黙って下積み、 俺もそうだった | いつになったら“若手”卒業できるんですか? | キャリアのスタートは“昭和の足踏みマシン” |
そんなの常識だろ | 俺の常識=永遠の正解。 | その常識、平成で終わってます | “昔話”が会議室の空気を凍らせる冷房装置に |
それ、俺が担当の時に成功したやり方はこうだ | 成功体験は永久不滅、今も通用するに決まってる | それ、10年前の話ですよね? | “成功の呪縛”で現場がアップデート不能に |
転勤は当たり前だ、断るなんて言語道断 | 言われた通りに動けない奴は甘え | 家族は?生活は? | ライフプランは“会社都合”で強制リセット |
最近の若いのは、すぐ辞めるからな | 我慢や根性が足りん | いや、我慢しない選択肢があるだけです | 離職率の原因を“若者のせい”にして思考停止。 |
(今の時代は“傾聴”しないとね~…と一定程度話を聞いてから持論を展開) | あ~聞いてらんない、早く答えを教えたいけど、傾聴してイケオジ | 目が、俺聞いてないよって言ってますけど | 死んだ魚の目に向かってプレゼン |
“老害”とは、ただの年齢の話ではない
「老害」という言葉を、単に年配者へのレッテル貼りだと捉えるのは早計です。
本質的には、影響力を持つ立場にある人が、その地位を使って周囲の成長や変化を妨げる構造的な問題を指しています。
たとえば、政治の世界では高齢のリーダーが長く権力を握ることで、次世代の台頭が阻まれ、社会の活力が鈍化することがあります。
同じことが、企業や組織の中でも起きているのです。
経験や実績を“盾”にして、新しいアイデアや若手の声を跳ね返す。
その結果、組織の代謝が滞り、やがて競争力を失っていく——
これが“老害”の構造的な正体です。
なぜこうなるのか?——老害は「構造」から生まれる
こうした現象は、個人の性格や年齢の問題だけではなく、組織の構造的な欠陥から生まれます。
その構造を読み解く鍵が、エンパワーメント理論です。
この理論では、仕事に対するやる気や主体性を生み出す要素として、以下の4つが挙げられます:
要素 | 意味 |
自己効力感 | 自分にはできるという感覚 |
影響感 | 自分の行動が周囲に影響を与えている実感 |
自己決定感 | 自分の意思で選択・行動できている感覚 |
有意味感 | 自分の仕事が意味あるものだと感じられること |
これらが満たされていれば、人は前向きに働けます。
そう、影響力を持つ立場にある人は、過去に活躍していた時に誰よりこれらが満たされていた人なのです。
しかし、これらがじわじわと失われていくと…?
「もう自分の意見なんて誰も聞いてない」→影響感の喪失
「何をやるか決めるのは別の人」→自己決定感の喪失
「この仕事、何の意味があるんだろう」→有意味感の喪失
「ⅠTでの価値創出は若者に歯が立たない」→自己効力感の低下
こうして、“老害化”が始まるのです。
どうすればいいのか?——構造を“解体”し、再構築する
老害的な言動を止めるよう説得するだけでは、根本的な解決にはなりません。
必要なのは、その言動を生み出している構造そのものを見直すことです。
つまり、組織の中で失われた「効力感・影響感・決定感・意味感」を、再び取り戻すために、どう再設計するか?
それが、この記事の核心です。
<社員①>自分が“老害”かもしれないと感じ始めたあなたへ
「最近、若手と話が噛み合わない」
「新しいやり方にどうしても違和感がある」
「自分の役割が減ってきた気がする」
そんなあなたは、まだ間に合います。
まずは“意味”を取り戻しましょう。
役職や権限が減っても、「仕事には意味がある」と思えるかどうか。
それが、他の3つの要素(効力感・影響感・決定感)を支える土台になります。
ヒント:
「自分が仕事を通じて何を大切にしているか?」を言語化してみましょう。
それに気づけば、どんな立場でもどんな仕事でも大切にしていることを外さなければ“価値ある存在”として再起できます。
企業内にキャリアコンサルタントがいたり、セルフキャリアドックがあればカウンセリングを受けるのも良いでしょう。
民間でもキャリアコンサルタントは大勢います。
そのために丸友開発も底辺拡大のお手伝いもしています。
【ご参考】丸友開発 presents キャリアコンサルタント ロープレ練習会のお知らせ
<社員②>“老害”にやる気を削られているあなたへ
「またあの人が反対してる…」
「どうせ言ってもムダ…」
そんな風に感じているあなた。気持ちは痛いほどわかります。
でも、ちょっとだけ視点を変えてみませんか?
“老害”の裏には「失われた何か」がある
その人は、かつては影響力があり、決定権があり、意味を感じていたはずです。
それが失われたとき、人は過去にすがるしかなくなるのです。
小さな“巻き込み”を仕掛けてみる
「この部分、一緒に助けていただけませんか?」
そんな一言が、相手の“影響感”や“効力感”を刺激し、関係性を変えるきっかけになるかもしれません。
静岡・浜松の企業文化に潜む“老害構造”
#002【解体×組織論】静岡・浜松の企業が変わる鍵「エンゲージメントを高めるリーダーシップ」とは? でもお伝えした通り、この地域には、創業家企業や年功序列文化が色濃く残る企業が多くあります。
それ自体が悪いわけではありません。
しかし、変化を拒む構造が温存されやすい土壌であることは否めません。
建物が老朽化すれば「解体」が必要なように、組織も時に「構造の見直し=解体」が必要なのです。
人事・総務部門ができる“構造解体”のアプローチ
あなたが人事・総務・経営企画の立場なら、過去の功績だけで祭り上げず(年功?)、以下のような施策が有効です。
組織の解体
次のようなレガシーな組織体系や制度を柔軟な発想で解体したり、ルールや常識と思っていることを解体しましょう。
・縦社会に最適化し過ぎた組織体系(ピラミッド型の組織図)の解体
複数の組織に所属してはだめでしょうか?
複数のプロジェクトに所属してはだめでしょうか?
複数の組織に所属しても上司同士で会話すれば評価や労務費管理問題クリア出来ませんか?
シニア社員の特別チーム・特別ミッションは出来ませんか?
それらが出来ないと思う理由を解体してみませんか?
・年功序列の解体
これまでよりも若い層に、部長・課長を任せてみませんか?
若い層に役職を任せたら、年長の前任者を遠ざけて若者のマリオネット化は止めませんか?
それらが出来ないと思う理由を解体してみませんか?
・役職定年制度の再定義
次世代の人材育成視点での役職定年制度を、役職定年後の活躍にもフォーカスして再定義しませんか?
・年長者が限定的な等級に滞留する人事制度
単線で一定程度の能力なら昇格していく等級制度や評価制度を見直してみませんか?
また下表のような人事・教育施策も有効です。
要素 | 意味 | 解体と再構築のヒント |
自己効力感 | 自分にはできるという感覚 | シニア向けの学び直し研修を設ける |
影響感 | 自分の行動が周囲に影響を与えている実感 | 若手とのメンタリング制度を導入する、社内教育の講師をアサインする |
自己決定感 | 自分の意思で選択・行動できている感覚 | キャリアに適した裁量のあるプロジェクトを任せる |
有意味感 | 自分の仕事が意味あるものだと感じられること | 企業のミッション・ビジョン・バリューや、中期事業計画と仕事との関連性や意義を繰り返し伝える文化をつくる |
特に「有意味感」は、本人が自ら意味づけできる力を育てる支援が重要です。
転職を考えているあなたへ:会社を変えるか、自分を変えるか
「もう転職しかない」と思っているあなた。
それも一つの選択肢として否定はしません。
しかし、転職先でも同じような“老害構造”に出会う可能性はゼロではありません。
だからこそ、自分の“意味づけ力”を鍛えておくことが、どこで働いてもモヤモヤしないための武器になります。
まとめ:組織の“解体”は、あなたの中から始まる
“老害”とは、誰か一人の問題ではなく、それは、組織の構造疲弊が生んだ“症状”です。
だからこそ、必要なのは「解体」。
壊すのではなく、見直し、再設計すること。
そしてその第一歩は、あなた自身の中にある“意味”を問い直すことから始まります。
あなた自身の中にある“意味”を見つめ直すお手伝い
私たちの会社では、浜松地域に「意義」を実感して働く方が増えるよう、キャリアコンサルタントの底辺拡大のお手伝いをしています。
また、あなたが今の職場に違和感を抱えているなら、ぜひ一度、私たちのブログを覗いてみてください。
“解体”の先にある、新しい働き方を一緒に創りましょう。
筆者紹介:風を読む人事家(火曜日・金曜日ブログ担当)
異業種で人事・総務の世界に身を投じて30年。社員の幸福感・血の通った組織・業績と経営へのインパクトに拘って、あらゆる人事・組織の理論と実践を行き来しながら、組織という名の“生き物”と格闘してきた。建設業に飛び込んで半年。今日も人と組織の“幸福感”を観察中。
週末のライフワークである人事・組織理論の読書の傍らでブログを書き溜めて火曜日・金曜日に予約配信中。
建設業のリアルな現場でも実践し得られたことの共有や、人事・総務の視点から、世の中の矛盾や不条理を鋭く、時に皮肉を交えて切り取ります。
業種を問わずさまざまな企業の中で「なんとなくモヤモヤしている」「組織の中で立ち止まっている」そんなあなたの思考に一石を投じるヒントがここにあるかもしれません。