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#015 「逃げるが勝ち」人生を再構築する“エスケープのすすめ”

坂本龍馬も脱藩したからこそ大きなことをやり遂げた
「逃げる」という言葉には、どこかネガティブな響きがある。
責任放棄、敗北、弱さ——そんなイメージがつきまとう。だが、果たしてそれは本当に「悪」なのだろうか?
私たちは日々、目に見えるもの、そして見えないものに縛られて生きている。常識、慣習、肩書き、家族、職場、地域社会——それらは時に、私たちの可能性を閉ざす檻となる。
そんな中、「逃げるが勝ち」という言葉が持つ意味を、今一度見直してみたい。
歴史を振り返れば、「逃げる」ことで新たな道を切り開いた人物がいる。
坂本龍馬——彼は、土佐藩という枠組みから「脱藩」することで、日本の未来を変える大きな仕事を成し遂げた。
坂本龍馬の「脱藩」という決断
坂本龍馬が脱藩したのは、1862年。彼は土佐藩の下級武士の家に生まれ、剣術修行を経て江戸へ出ていた。だが、彼の志は藩という枠組みでは収まりきらなかった。幕末の混乱期、日本の未来を真剣に考えた龍馬は、藩の命令や立場に縛られていては何もできないと悟る。
脱藩とは、当時の武士にとって「裏切り」に等しい行為だった。藩の庇護を捨て、無籍者として生きることは、命を危険にさらすことでもあった。しかし龍馬は、あえてその道を選んだ。彼は「逃げた」のではない。「自由を選んだ」のだ。
その後、龍馬は薩長同盟の仲介や大政奉還の構想など、日本の近代化に向けた大きな仕事を成し遂げる。もし彼が脱藩せず、土佐藩の中で生き続けていたら、これらの偉業は果たせなかっただろう。
「逃げる」は物理的な行動だけではない
「逃げる」と聞くと、多くの人は「会社を辞める」「地元を離れる」「人間関係を断つ」といった、物理的な行動を思い浮かべるかもしれない。しかし、真に重要なのは、意識のレベルでの「逃げる」という選択だ。
私たちは日々、目に見えない「思い込み」や「固定観念」に縛られている。
・「男(女)はこうあるべき」
・「この業界ではこうしないと成功しない」
・「上司の期待に応えなければならない」
・「この人とは長年の付き合いだから離れられない」
こうした思考の枠組みは、知らず知らずのうちに私たちの行動を制限し、可能性を狭めてしまう。
逃げるべきは、こうした“見えない檻”なのだ。
坂本龍馬が脱藩したのは、単に土佐藩という地理的・制度的な枠組みからの離脱ではない。彼は、「藩に忠義を尽くすのが武士の本懐」という固定観念からも脱したのだ。だからこそ、彼は自由な発想で動き、日本の未来を変えるような行動ができた。
意識の「脱藩」が人生を変える
現代においても、私たちは「意識の脱藩」をする必要がある。
それは、以下のような行為を意味する:
・自分に合わない価値観を手放す
・他人の期待に応える人生から、自分の願いに従う人生へシフトする
・「こうあるべき」という思い込みを疑う
・自分を否定するような内なる声から距離を取る
こうした意識の「逃げる」は、決して弱さではない。むしろ、自分自身を守り、可能性を広げるための強さの表れだ。
そして、こうした意識の「脱藩」を進めるうえで、キャリアコンサルタントの力を借りることも非常に有効だ。
自分が本当に大切にしている価値観を明確にし、それ以外の不用なものやノイズを手放すことで、より自由で納得感のある人生を歩むことができる。
悪縁を断ち切るという選択
人間関係もまた、私たちを縛る大きな要因だ。長年の付き合い、恩義、情——それらがあるからこそ、関係を断ち切ることは難しい。しかし、すでに自分にとって有害な関係であると分かっているならば、思い切って「逃げる」ことも必要だ。
悪縁を断ち切ることは、決して冷酷な行為ではない。むしろ、自分自身を大切にするための選択だ。人は環境によって変わる。どんなに優れた能力を持っていても、腐った土壌では花は咲かない。自分が咲ける場所を探すために、逃げることは正しい。
パワハラ上司からのエスケープ——その人のために人生を消耗しない
「また今日も、あの上司の顔色をうかがってしまった」
「理不尽な言葉に、心がすり減っていく」
そんな日々を過ごしているあなたへ、まず伝えたいのは——それ、あなたのせいじゃない。
小さな会社では異動もなく、逃げ場がない。
転職しても、また似たようなタイプに出くわすのが関の山だ。
大きな会社でも、野放しにするような会社は異動先にも“その手の人”がいる可能性は高いし、長い就業生活の中でまた同じ職場になることもある。
そう、パワハラ上司は、どこにでも湧く。まるで夏の蚊のように。
でも、忘れてはいけない。
あなたがその人のことで悩んでいる時間、その人は平和に鼻くそをほじっている。
あなたの脳内を占拠しているその人物は、あなたの人生に何の責任も持っていない。
そんな人のために、貴重な人生の時間や思考を奪われるのは、本当に無意味だ。
ハラスメントには毅然と対応を
まず、厚生労働省が定めるハラスメントの基準に該当する場合は、遠慮なく、毅然と対応すべきだ。
社内の相談窓口、外部の専門機関、労働局など、使える制度はすべて使っていい。
あなたの人生を守るために、声を上げることは正義だ。
厚労省ハラスメント対策ポータルサイト 👉 https://www.no-harassment.mhlw.go.jp
就業規則に抵触するレベルなら、懲罰に掛けてご退場いただくのが理想だ。
会社はあなたの人生の舞台であって、誰かのストレスを連射する射撃場ではない。そんな人にはあなたの人生の舞台から降板していただこう。
ハラスメント未満の“苦痛”には、意識のエスケープを
しかし、現実はそう甘くない場合がある。
「ハラスメントとまでは言えないけど、毎日が苦痛」
そんなグレーゾーン内から上手に出ないように苦痛を与え続ける上司もいる。
声を上げても愚痴としてしか扱われない。
でも、我慢は美徳じゃない。消耗だ。
そんなときこそ、意識レベルでのエスケープが必要だ。
・その人の言葉を真に受けない
・「この人はこういう人」と割り切る
・「いや~そーですよねぇ~」と面従腹背でやり過ごす
・自分の価値を他人の評価で測らない
・仕事以外の世界に自分の居場所をつくる
つまり、心の距離を取ることが、最強の防御策なのだ。
自分の人生を謳歌するために
「逃げるが勝ち」という言葉は、単なる処世術ではない。これは、自分の人生を自分で選び取るための哲学だ。誰かの期待に応えるために生きるのではなく、自分の心が望む方向へ進む。そのためには、時に「逃げる」ことが必要であり、それはすなわち真の自分を「勝ち取る」ことである。
坂本龍馬のように、既存の枠組みを飛び越え、自分の信じる道を進むこと。それは、現代の私たちにも通じるメッセージだ。
最後に——逃げることは、始まりである
逃げることは、終わりではない。むしろ、新しい始まりだ。坂本龍馬が脱藩したことで、日本の歴史が動いたように、私たちもまた、逃げることで自分の人生を動かすことができる。
「逃げるが勝ち」——この言葉を、もっとポジティブに捉えてみよう。逃げることは、弱さではなく、強さの証。自分の人生を自分で選び取るための、最初の一歩なのだ。
筆者紹介:風を読む人事家
自動車業界で、人事~海外子会社CEO~人事担当役員などを経て当社へ。社員の幸福感・血の通った組織・業績と経営へのインパクトに拘って、あらゆる人事・組織の理論と実践を行き来しながら、組織という名の“生き物”と格闘してきた。フィールドを建設業界に移し、今日も人と組織の“幸福感”を追求中。
週末のライフワークである人事・組織理論の読書の傍らで徒然なるままに書き溜めたブログです。
建設業のリアルな現場でも実践し得られたことの共有や、人事・組織論の視点から、世の中の矛盾や不条理を鋭く、時に皮肉を交えて切り取ります。
業種を問わずさまざまな企業の中で「なんとなくモヤモヤしている」「組織の中で立ち止まっている」そんなあなたの思考に一石を投じるヒントがここにあるかもしれません。
2025年7月より当社代表取締役社長