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解体工事の基本知識:業者選びのコツ(その2)

基本知識のイラスト

長く親しんだ建物とお別れの時が・・・

さて、前回の続きでこんな業者に頼んではいけないという話です。

➃損害賠償保険に入っていない。
 こんな業者は居ないだろうとまたしても驚いている方も多いでしょうが、前述のように建設業許可でさえ取得していないのですから当たり前です。経費を抑えるために保険に入っていないのがその動機です。その結果として何が起きるかを説明します。そのような業者ですから総じて仕事は粗いことが多いです。すると工事の不手際で隣の壁を壊してしまった場合に当然の事として賠償責任が発生します。これが保険未加入の業者だと満足のいく対応が望めるかというと難しいのが現実です。経費をケチることで保険未加入なのですから当然の事です。これも揉めると発注者責任を問われかねないので充分に注意が必要です。

⑤契約書が簡単すぎる
 契約書が簡単で何が含まれているのか、含まれていないのかよく判らないのも正当な業者であれば望む状況ではないので質の悪い業者ならではです。なにせ、何か隙を作り騙そうとしてとしている悪意が前提なので問題があります。また、注文書・注文請書方式の注文請書や契約書に印紙が貼られていない業者もアウトです。これは立派な脱税行為なのです。これすらも守られないようではコンプライアンス意識が低すぎです。

⑥マニフェストを発行しない
 これも論外なので業界としては恥ずかしい限りですが何やかやと理由を付けて発行をしない業者はいます。このような業者も辞めておきましょう。

業者の見分け方

 ここまではこのような業者は止めましょうという事実を積み重ねましたが、このような内容は他社のHPでも述べられた内容です。そこで、ここからオリジナルのこんな業者は止めた方が良いという「建設業者の良い悪いの見分け方」です。この見分け方は皆さんがマンションを完成前に買うこと、つまりは青田買いをする場合の将来のマンションの出来栄えを予測する事にも通じます。では、何を見るのか?答えは事務所が整理整頓されているのかがポイントです。マンションでしたら現場事務所を見るのが一番間違いありません。私が若いころにマンションの共有部の工事を請けていた専門工事業者でした。当然の事として定例会議等で現場事務所に行くのですが、今でも忘れない最悪の現場では現場事務所の会議テーブルと椅子が埃が溜まっていていてとてもではないですが座る事すら嫌な状況でした、そのマンションは最後は工期が間に合わずに完全なやっつけ仕事でした。いわゆる内覧会後のダメ直し工事はとても多かったことを記憶しています。まとめると建設現場において現場事務所(本社事務所)の整理整頓(5S)と建物の品質は比例するということです。これを解体工事に置き換えると現場事務所か本社事務所の5Sと解体工事の品質は比例です。細かい点ですがここで気を付けていただきたい点があります。契約前に業者の事務所を見学するのは良いのですが、契約を先方の事務所に行って契約するのは止めた方が良いです。理由は発注者の貴方が業者の事務所に行ってしまうと契約が訪問販売法の適用を受けないので「クーリングオフ」が使えなくなります。先の問題点が見えたときに使えた方が良いので「クーリングオフ」は使えるようにしておくべきです。

まとめ

 さて今回は二回にわたり「こんな業者はダメだ」シリーズをお話してきましたが、いかがでしたでしょうか?専門家でない皆さんが騙されないように正しい業者に頼むための知恵を述べてきましたが難しいと思います。そうなると知り合いに欲しいのは「医者と弁護士」から「医者と建設屋」に変わったのではというのが最後のまとめです。

寄稿:長野 正典(弊社代表取締役 月曜日・木曜日に掲載予定)